開業で借入が膨らんだ5つの理由と、今なら考えられる対策

こんにちは、管理人です。

医院運営をする上で、考えなければいけないのは
利益を出すことですよね。

勤務医の時代は一日来患数が90名ほどのクリニックにいたため
一日の売り上げは5〜6万点ほど。
毎月保険だけで100万点〜120万点を出すモンスタークリニックでした。

そのため点数を上げるのは簡単だ、とか
開業して患者さんが来たらすぐに利益が出るだろう、とか
漠然と、そして甘く考えていた私・・・。

実際、開業してみると
返済、材料費、技工料、人件費、家賃、あと税金、、などなど
出ていくお金はたくさんあって
稼いでも稼いでもなかなか黒字にならない、苦しい・・・

そんな時期を直近まで過ごしていました。

なぜこんなに黒字が出にくいのか
考えてみると、
私たち夫婦は拡大前提で大きなクリニックを作ったため
借入金の額も大きく
結果として月々の返済も多いし、
これに加えて人件費も去年からベースアップの波を受けたのと
人材確保のために基本給を底上げしたため
何もしてなくても、出ていくお金が大きいというのが根底にあります。

そんなの、当たり前じゃん、
始めから返済のことを考えて開業しなよ、

そんな声が聞こえてきそうです。。。汗

私もそう思います。
そして気をつけてはいたつもりだったのですが

気がつけば??
予想通り?

億越えの開業となりました。

こうなった要因について考察してみます。

  1. 「開業はお金がかかって当然」マインド
  2. 開業して成功したら返済できるから大丈夫、と変に気が大きくなる(ようにディーラーが洗脳してくる)
  3. ディーラーが作成する来患数と医業収益、返済のシミュレーションは甘くコーティングされているが、開業前の若造にはそれが見破れない
  4. 予算よりもやりたい診療の形が優先
  5. 建築費の高騰と見積もりの不明瞭さ(もう設計も何もかも決まってからお見積もりが出る、もう後には引けないレベル)

大きく出すとこんな感じでしょうか。
それぞれについて考察してみます。

1.「開業はお金がかかって当然」マインド

私の場合、まさにこれは疑ってもいなかった考えでした。
何をするにしても必ずお金がかかるもの、
それは間違い無いのですが、お金がかかって当たり前だと思って
考えていると、
高いなぁと思っても、
「開業だから、そうだよね、。」「仕方ないか。」
そんな感じで何十万、何百万の買い物を決断します。

結果、高い買い物だったけどなくても良かったかな、なんてものもあります。

開業にかかるお金を小さくしたい先生は
テナント開業、居抜き、継承、
機材は中古を買う
などの工夫が必要だと思います。

2.開業して成功したら返済できるから大丈夫、と変に気が大きくなる

開業となると基本は大きなお金が動くので
ディーラーからすると大切なお客様な私たち。
できるだけたくさんの買い物をしてもらえるよう、
あの手この手で私たち若造歯科医師の心をくすぐる言葉を随所に散りばめてきます。

開業は夢と希望が詰まった一大イベントです。
開業したらこんな診療がしたい、あんな機材を使いたい、
それぞれやりたいことがあるはずです。

ここで夢ばかりみると後で悪夢を見ることもあるので
自分で自分を律しながら機材にお金を使いすぎないよう心がけが必要です。

因みに、上記の二つのマインドとトリックにかかった私は
当初入れる予定のなかったネクストビジョンという簡易マイクロを300万ほどで購入しました。

内覧会時にはお披露目したり、クリニックの設備としてPRしましたが
実際には開業して1年ほどはほぼ電源を入れることなく
宝の持ち腐れをさせてしまいました。
(今はしっかり活用してます)

あと1脚10万ほどする純正のドクター用チェアの購入も、
もっと費用を抑えておけば良かったなぁと思う項目の一つです。

3.ディーラーが作成する来患数と医業収益、返済のシミュレーションは甘くコーティングされているが、開業前の若造にはそれが見破れない

銀行借り入れをする際に事業計画書を作成するのですが
その時、返済シミュレーションを私たちはディーラーの方に手伝っていただきました。

その時のシミュレーションから比べて損益分岐は3〜4割ほど高い印象です。

当然と言えば当然です。
その事業計画書の目的はたくさん借りて、月々の返済はこれくらい余裕で返せますよ、
とPRするためのものなので。

なので、これを鵜呑みにせず、
実際にはもっと高い損益分岐点が待っているんだということを念頭に開業されると
後で悩むことが減るかもしれません。

4.予算よりもやりたい診療の形が優先

恥ずかしい話ですが実際、予算はなかったというのが正確なところです。
「できるだけ高くならないように」という意識で
あとはやりたい診療を実現するための機材選びや建築設計を行ったので
結果として億越えの開業になったと思います。

開業にかかる費用が大きくなりすぎないようにするためにどうしたらいいのか
難しいところですが、
建築費、機材費、材料費でかけられるおおよその額を予め決めておくと良いですね。

でも開業したことのない先生にとっては
この辺は未知の領域ですので
勤務医の時代から機材がいくらかかるのか、使っている材料の原価など
意識するといいと思います。

建築費については変動が大きいので難しいところですが
予め設計士の方にどれくらいの額で作りたいのかを伝えておくと
天井知らずで建築費が大きくなるのを避けられるかもしれません。

5.建築費の高騰と見積もりの不明瞭さ(もう設計も何もかも決まってからお見積もりが出る、もう後には引けないレベル)

私の場合、土地探し→設計→見積もり→建築会社選定→銀行借り入れの順で進みました。

前項と重なりますが、建築にかかる費用の概予算を作って設計に取り組むと
ここはインパクトが大きいと思います。

ただ、お金はたくさんかかったけれど
良かったなと思うのは
患者さんもスタッフも私たち経営陣も居心地の良い空間が作れたということです。

人にはパーソナルエリアというものが存在し、
人の密度が高いとそれだけでもストレスを感じ
なくても良い人間関係のトラブルを生じかねません。

休憩室も広くとったおかげで研修もできるし、
スタッフもきっと居心地良くお昼時間を過ごせていると思います。

この辺の金銭感覚と理想のバランスの取り方、難しいですよね。

まとめ

ということで、今回はなぜ借入額が大きくなったのかと、
今だったら考えられるその対策について書いてみました。
これから開業される先生の参考になれば幸いです^^

本当は別のことを書こうと思っていたのですが、また別の回に改めたいと思います。

ではまた👍

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